犬へのしつけは、人間と犬が幸せに暮らすためにとても大切なことです。
人間社会で暮らす犬がトラブルに巻き込まれないようにきちんとルールを教えてあげましょう。
飼い主のしつけのルールが曖昧だと犬は混乱してしまいます。
窮屈すぎるルールだと、犬に過度なストレスがかかってしまいますが、きちんとルールを決めてしつけをすることで、お互い快適な生活ができるようにしていきましょう。
新しく迎えた犬が慣れてきたら、さっそくしつけを開始しましょう。
犬は社会的な動物です。まずはどちらが主従として立場が上なのかはっきりとさせてあげましょう。ここがはっきりしていないと、しつけはうまくいきません。
吠える、噛む
犬は吠えたり噛んだりする動物です。
きちんとしつけをしないと近隣の人たちとのトラブルになってしまいます。
まずは犬の本能として、吠えていることや噛んでいることを理解しましょう。
どんな時に吠えたり噛んだりしているでしょうか?
最初に犬が吠える場合ですが、何かをしてほしい時や、おびえた時、威嚇や他の犬に対してなどがあります。
また、犬が噛む場合ですが、防衛や攻撃として噛みます。これは専門のトレーナーなどに相談が必要な場合もありますが、飼い主が気を付けてあげましょう。
それ以外での噛み癖として、口の中がむず痒い時や、飼い主に甘えたり気を引こうとしている時、ストレスが溜まっている時などになります。
何かしてほしい場合の吠え癖について
最初に何かをしてほしい時に吠えた場合ですが、「吠えたら要求が通る」という考えをあらためてもらいます。
まずは「待て」や「おすわり」「伏せ」などの指示をして、従えた場合に「褒め」てあげ、そのうえで犬の要求にこたえてあげましょう。
そうすることで指示に従った場合に要求が通るという考えに切り替えていきます。
おびえた場合の吠え癖について
ひとりで留守番をする場合など単独でいることが苦手で「行ってきます」などの声や「チャイム」などに不安を感じる犬も多くいます。
単独でいることにも慣れてもらう必要がありますので、短時間から少しずつ長い時間を一人で過ごせるように慣らしていきましょう。
また「チャイム」を鳴らしたときに家族が入っていくを繰り返し、吠えない場合に褒めてあげるということを繰りかえし、敵ではないと覚えさせましょう。
威嚇や他の犬への吠え癖について
警戒心が強い犬が、主人が慌てたりしている場合に吠えることがあります。
この場合は、飼い主が慌てたりせずに落ち着いて犬を安心させてあげることが大切です。
他の犬へ吠えている場合には、まだ社会性が不十分です。無理に他の犬に近づかずに少しずつ慣らしていきましょう。
口の中がむず痒い場合の噛み癖について
子犬の場合は、歯の生え変わりの場合の痒みによる噛み癖になります。
この場合の痒みは抑えようがないので、噛んで遊べるおもちゃなどを与えてあげましょう。
甘えたり気を引こうとしての噛み癖について
腕やズボン、洋服や靴などをかまれた場合には、大きな声で反応してしまうと、飼い主に遊んでもらっているという感情で強く噛んでしまいます。
噛んだ場合には「ストップ」「やめて」などの簡潔に叱るようにしましょう。
犬と遊んでいる中で噛んでくる場合には、噛んだ時点で遊びじたいをやめて遠ざかるなど、噛んだらそこで終わってしまうと覚えさせましょう。
ストレスが溜まっている場合の噛み癖について
犬もストレスがたまると噛み癖が出てしまうことがあります。
その場合には散歩の回数や距離を多くして運動をさせてあげたり、外で遊んであげることでたっぷりと体を動かしストレスを発散させてあげましょう。
人も犬もストレスが溜まると発散したくなる気持ちは同じです。
トイレのしつけ
初めて犬を迎える際にはトイレのしつけから教えて上げましょう。
犬は飼い主が教えなければトイレの場所を覚えてはくれません。
本来一か所で排泄をする動物ではありませんので、お互いに快適に暮らすうえで犬用のトイレで排泄してくれるように教えて上げましょう。
トイレトレーニングを始めるにあたり、トイレトレー、サークル、トイレシートを用意しましょう。
まだ慣れていない子犬の場合には、常に目を離さずトイレサインがあったらトイレに連れて行ってあげましょう。床をくんくん嗅いでいたり、その場でくるくる回る、そわそわしているなどのしぐさがあればトイレサインです。他にもその子犬のトイレサインがあるか観察してみましょう。
また、排泄のタイミング(寝起き、食後、水を飲んだ直後、遊び・散歩の後など)にトイレに連れて行ってあげ、うまくいったら褒めてあげましょう。
トイレトレー
犬の体のサイズに合ったトレーを用意してあげましょう。
トイレトレーの上でくるくる回れるくらいの大きさが基準になります。それよりも少し大きめだと失敗が少ないでしょう。
サークル
犬のベッドと一緒に入れられる居場所を作ってあげます。
基本的に犬はきれい好きですので、ベッドが汚れることを嫌います。
目を離している間にあちこちでおしっこをしているなどの失敗を防いでくれます。
トイレシート
大きいシートを1枚よりも、小さいシートを複数枚敷いておくと汚れた分だけを取り換えられるのでおすすめです。大きいシートを一番下に敷いておけば安心です。
トイレトレーニングのポイント
トイレの近くに布を置かない。失敗をしても怒らない。落ち着けるところにトイレを設置する。
失敗しても怒らずに、すぐにきれいにしてあげて、その場に匂いが残らないようにしてあげましょう。
大事なのは失敗をさせないこと(失敗したらすぐにきれいにしてあげる。)、また成功した時にはしっかりと褒めてあげましょう。
トイレの成功体験を何度もさせて上げ、たくさん褒めてあげることがトイレトレーニング成功への近道です。
しつけのポイント
犬のしつけで大切なことは、叱るときには「名前」を呼ぶことは避けましょう。
また、叱るときは、その場すぐに叱るようにしましょう。後から叱っても犬は何で叱られているかを理解できません。
大声や体罰などの恐怖で叱る方法も、その場では一時的に収まっても、あとで噛み癖がひどくなる場合があります。
犬のしつけをする際は悪いことは悪い、良いことはきちんと褒める。というように、飼い主が毅然として態度で接することが大切です。